MSについて9:ジオン公国軍の陸戦用モビルスーツの開発と発展(その1)

今回は、ジオン公国軍「ザクII」から更に発展した陸戦用モビルスーツに関して触れてみます

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※2016/8/13分を加筆・修正の上、再掲載


純陸戦用モビルスーツ「グフ」の開発

ジオン公国軍は地球侵攻用の主力機として「ザクII」の陸戦仕様であるMS-06J(J型)のほか、各方面に合わせ局地戦用機体を投入していましたが、本来宇宙用に開発された機体の改修型では限界もありした

地上用ザクIIシリーズのベースとなっているF型の汎用性が更なる性能向上の妨げにもなっており、新たに純陸戦用モビルスーツの必要性が迫られていたため、J型をベースとしながらも大幅な改良を加える新たな機体開発が行われることになりました

この新型陸戦用機開発はジオニック社を中心として北米キャリフォルニアベースで行われ、当初、ジオニックとツィマッド社の2つのプラン(YMS-07・YMS-08)が並行して進められましたが、YMS-08系機体は5機をもってYMS-07へプラン統合されています

YMS-07 プロトタイプグフ

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プロトタイプグフは複数試作され、外観の判別できる機体資料の残っている1つの機体は「2」のナンバーが施された外観から2号機だと推測される一方、駆動部・動力系のテスト用と言われる機体の外観にも、やはり「2」のナンバーが見受けられます

YMS-07A-0 プロトタイプグフ 機動実証機

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これらの機体はサイド3での試験後、重力下での最終試験のために地球へ降下・搬送されたと言われています

また、機動実証試験と並行して実施されていた、固定武装を装備の試作機体も存在しました

YMS-07B-0 プロトタイプグフ 戦術実証機

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本機は3号機以降の機体と推定され、右腕にはマニピュレーターがなく先端がヒート・ロッドと呼ばれる固定武装の射出口となっています

この武装は、今後対敵するであろう地球連邦軍モビルスーツとの格闘戦を意識・想定していたことをうかがわせます

左腕も親本指部分がセンサー、その他部分は三連装式マシンガンとなっていますが、前腕部はアタッチメント式になっており、通常のマニピュレーターへの換装も可能だった様子です

そのカラーリングやジオニック社でグフ開発を行っていた技師の証言等により、本機のテストパイロットはランバ・ラルだったと推測されています

なお、これらの機体は量産化前のテスト運用を終えるとともに次なる開発プランの素体として使用されたり、実戦装備が施され前線に投入されていったようでした


グフの量産化

プロトタイプの3号機以降の機体は固定装備が増設され、この時点で外観上は既に量産型との差異も狭まりつつありました

とはいえ、YMS-07の初期量産型として32機生産されたA型は、

MS-07A グフ(初期量産型)

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固定武装の生産が間に合わず、両腕とも通常のマニピュレーターを配したとした機体となりました

装備としては120mmマシンガンや

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ヒートホークといった、

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ザクIIと共通の武装が主に使用されたようです

一方、固定武装を追加装備したYMS-07の3号機以降の機体がB型として実践投入され、

YMS-07B グフ

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ランバ・ラルが搭乗したのはこの機体と言われています

彼の機体はチューンナップも施されており、のちの量産型機よりも高性能だったと言われており、また、彼のパーソナルカラーである青の塗装は、その後の一般量産型にも採用されました

このB型は固定武装追加のほか胸部装甲の強化されるとともに、ザクIIと異なり両肩に大型化したスパイクアーマーを備え、代わりにシールドが装備に加えられました

また、ラジエターの大型化とともに機体の軽量化が図られ、機動性・運動性も高まったことでザクIIを20パーセント以上も上回る性能向上を得ています

固定武装は左腕の5連装マシンガン、

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対モビルスーツ戦闘用の右腕のヒートロッドが装備とされました

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ヒートロッドは伸縮式の電磁鞭で最長で17.5mまで伸び、特殊デンドリマーを積層することにより幾層からなる圧電アクチュエーターを構成、各層に独立して電荷を与えることにより自在に動かすことができました

それにより敵モビルスーツに絡み付け大電流を流すことで、電子回路の損傷や敵パイロットの感電、電流とともに熱を発生させ敵装甲溶断することも可能でした

このほか、ザクIIで使用されるヒートホークよりも大型のヒートサーベルも装備されました

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このB型の仕様が、その後の本格量産型の基本となりました

MS-07B グフ(後期生産型)

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この機体は陸戦用ザクIIの後継としてその生産ラインで量産が進められ、オデッサやジャブローでの戦闘に大量に投入されました

ただし、白兵戦を重視した本機は高性能ながら操縦性に難点もあり、一般パイロットには扱いづらい機体であったものの、熟練パイロットに特に好まれたとも言われています

東南アジア戦線では、有名な「グフレディ」をパーソナルエンブレムとし、

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「青い虎」の異名で呼ばれたと伝わるサイラス・ロック中尉や、「チャイナレディ」と呼ばれる部隊マークを施され、

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ダークブラウンに塗装の機体へ搭乗したマルロ・ガイム中尉の愛機として名を馳せました

オーストラリア方面駐屯のモビルスーツ部隊隊長で、「荒野の迅雷」と呼ばれたヴィッシュ・ドナヒュー中尉は

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左腕を通常のマニュピレーターに換装、代わりに3連装35mmガトリング砲を搭載、隻眼のドクロのエンブレムがマーキングされたシールドを装備した現地改修機に搭乗していました

MS-07B グフ ヴィッシュ・ドナヒュー専用機

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また、のちにエース部隊「キマイラ」に配属となるトーマス・クルツも、

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サンディブラウンとダークグリーンの迷彩塗装のグフでの

MS-07B グフ トーマス・クルツ専用機

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ゲリラ戦で戦功を上げ、エースパイロットとなりました

一方、各部に金色のエングレーブ風の装飾を施されたマ・クベ専用の儀仗用カスタム機も存在したようですが、

MS-07B グフ マ・クベ専用機

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マ・クベ本人はこの機体に搭乗しなかったと言われています

なお、格闘戦闘に主眼を置かれていたグフですが、右腕のヒートロッドを廃し、両腕ともにマシンガン装備としたタイプも存在しました

MS-07C-1 グフ(後期改修型)

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本機は、後継となる重装型(MS-07C-3)の前段階の機体として推定されています


「サブフライトシステム」の導入

この新型機グフはザクIIから大幅な性能が向上したものの、推進剤・歩行能力等の限界からの行動範囲・移動速度の限界や、対空戦闘の脆弱性は解消されず、新型といえども機体単体では地上用モビルスーツの課題を解決することは困難でした

グフを母体としてモビルスーツを飛行させる改修計画も進められましたがとても満足できる結果には至らず、当時の技術の限界であったと言えます

その結果、モビルスーツ単体での飛行の実現からは見切りをつけ、重爆撃機および輸送機である「ドダイ」に

ドダイGA

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積載させて移動・空中戦を行う方法が考案されました

ドダイYS

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グフの固定武装は空中戦においても有効活用が示され、

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モビルスーツの行動範囲拡大と、爆撃機にとっても弱点の1つだった対空戦闘能力が向上しました

また、仮にドダイが被弾・戦闘不能に陥っても、モビルスーツが即座に離脱できることも大きなメリットとなりました

グフには量産時点でドダイとのリンクプログラムが搭載され、当初は指揮官用機の象徴でもあった頭部の通信用ブレードアンテナも標準装備されることになります

このコンセプトは「サブフライトシステム」と呼ばれ、戦後、連邦側でも広く利用されることとなりました









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