MSについて10:ジオン公国軍の陸戦用モビルスーツの開発と発展(その2)

前回に引き続き、陸戦用としてジオン公国軍「ザクII」の後継機である「グフ」に関して触れていきたいと思います

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※2016/8/20分を加筆・修正の上、再掲載


「グフ」のバリエーション

格闘戦に重点が置かれていたグフですが、両腕ともにマシンガン装備のMS-07C-1(後期改修型)の後継として火力に重点の置かれた機体も存在しました

MS-07C-3 グフ重装型

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本機は、C-1型をベースに歩兵支援任務のため火力と装甲を増強した機体であり、「機動力を持つ装甲砲」という従来の機動兵器とは異なるコンセプトで開発されました

両腕に配されたフィンガーバルカンは、従来の従来の75mmから85mmに換装され、前腕部・左右腰部に交換可能な箱型の予備弾倉を配しており、主にヨーロッパ戦線に投入されました

グフ用のシールドも使用可能ではあったものの、全体の装甲が強化されているため、実際に使用されることはなかったと言われています

また、地球上でのモビルスーツ自体の行動範囲拡大を企図して、プロトタイプとして試作されたYMS-07の4機を用い、機体そのものに飛行能力を持たせるべく試験機の開発も行われました

MS-07H グフ飛行試験型

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とはいえ、のちの可変モビルスーツなどような航空機形態への変形機能を持たせるわけではく、その方法は、脚部に強力な熱核ロケット・エンジンを搭載、大推力により飛行させるという半ば強引ともいえる手段がとられました

3機のYMS-07A(1~3号機)、1機のYMS-07B(4号機)を開発母体にアイザック・ウーミヤック大佐率いるチームがサイド3の29バンチコロニーで改装・テストヘッドが設定されたと言われています

キャリフォルニアベースに移送後、ビリー・ウォン・ダイク大尉を中心とした特別編成されたテストパイロットテスト6名によって、アリゾナのフラットネイル空軍基地にて試験が繰り返されました

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飛行実験は8週間に及び、計38回の試験飛行が行われ、特に低高度のVTOテストは連日実施されました

しかし、総重量80tを越す自重、構造の複雑な新型エンジンのコントロール系統の動作不調などもあって10数回におよぶトラブルも発生、搭載燃料が限られる一方で大出力となるため航続距離も短く、当初からその飛行性能には限界があったと言えます

結局、技術的な問題から当初より躓きがちでしたが、研究は縮小されつつも続行されました

なお、このH型は戦後、地球連邦軍にて改良が加えられ少数ですが生産され、ジャブローにて4機ほど運用されていたのが確認されています

その後、中でも比較的好調な結果を示していた3号機は、背部に燃料増加用ドロップタンクを追加したH-2型に再改修され、その後も数回の改良と試行錯誤が繰り返されました

YMS-07BがベースのH型の4号機も通算4度目の改修がされ、

MS-07H-4 グフ飛行型

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脚部エンジンを換装、フィンの大型化が図られています

しかし、エンジン調整に難航していたためか、4号機は完成から10日目、最終テスト中に空中爆発を起こしました

本機パイロットはフランク・ベルナール少尉が務め優秀な成績を収めていましたが、彼もこの事故で死亡しています

モビルスーツの飛行計画は頓挫したものの、結局、機体自体をドダイYSに積載させるという別の方法で当初の目的である行動範囲拡大は一応の解決がなされました

戦後に改良生産されジャブローに配備されていたH型にしても、やはり飛行能力は有してなかったようでした


「グフ」の再設計機体

このほか、グフの従来の欠点であった両腕の固定武装による汎用性の低さを見直し、装備のオプション化と中近距離射撃能力を向上させたB型の再設計機も存在しました

MS-07B-3 グフカスタム

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この機体はノリス・パッカード大佐が搭乗したことで知られ、

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左腕を通常のマニピュレーターに戻し、前腕にシールドを装備可能な3連装35mmガトリング砲を外付けすることで汎用性を維持させました

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更に、シールドには中距離の射撃能力を強化のための6銃身75mmガトリング砲も追加可能である一方、

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近接戦時にはガトリング砲を排除するできるほか、シールドにはサーベルが収納されており白兵能力の低下を補っています

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右腕にはMS-07Bと異なりヒート・ロッドではなく、材質強化と小径化を図ったワイヤー型のヒート・ワイヤーを装備することで射程距離を最長17.5mに延長、この変更により溶断機能のない、放電機能のみを残しました

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直接的な打撃力は低下したものの、先端を鈎爪(アンカー)状とすることで敵機の捕縛や自機の懸架・牽引が容易になっています

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本機は再設計にあたって、その機体形状から後期生産型ザクII(F-2型)からの影響も受けているのかもしれません

また、このB-3型の部材等を利用しMS-07H-4を再設計した機体も存在し、H型の完成型として少数ながら生産されました

MS-07H-8 グフフライトタイプ

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武装はB-3型に準じ、シールドに付属可能なガトリング砲が使用されていました

長距離・長時間航行が可能であったかどうかは定かではありませんが、H型・H-4型とは異なり、重力下で立体的な空間戦闘が可能な程度の、安定的な浮遊能力は有していた模様です

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「グフ」開発・改良型試験のデータ活用による更なる後継機の開発へ

ザクIIからの新たな陸戦機体の開発過程においては、当初、ジオニック社のYMS-07(グフ)とツィマッド社のYMS-08の2つのプランが並行しており、このうちYMS-08は重力下での機動性を主眼に、軽量化や動力系の強化を図った機体でした

YMS-08A 高機動型試作機

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この機体は機動性は上回っていたものの推進系統の欠陥が発覚し、5機のプロトタイプをもって、YMS-07系、のちのグフの開発プランへ統合されました

ただし、YMS-08AはのちにMS-08の形式番号を与えられた機体に受け継がれました

MS-08TX イフリート

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本機の機動性と格闘能力はグフを凌駕すると言われましたが、カスタムメイドに近い生産性の低さもあり、8機のみの少数生産となりました

このうち数機が実戦にも投入されたほか、フラナガン機関研究の戦闘システムを搭載された試験機体も存在したと言われています

一方、重装型とは別に、便宜上ながらもC型の型式番号が割り振れられた試作機も存在しました

MS-07C-5 グフ試作実験機

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本機はツィマッド社にてライセンス生産したグフの機体をベースとしたものと言われています

YMS-08系およびC-5型の実験データは、頓挫したH型による飛行計画での開発・試験結果から実用化がなされた熱核ジェットホバーによる滑走(ホバー走行)の技術等とともに、結果的にMS-09の開発に活かされました






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